盛岡出張をトンボ帰りしたのは、土曜日の午後研究会があったためです。

私がその会の責任者ですので、休むわけにはまいりません。1年前に予定を決めているので、日程の調整もできません。

本町の会議室で行われました。3演題、4時間近い長丁場です。

開業医は最新の医学も学ばなあかんし、勤務医と違って刻々変わる医療保険制度も学ばねばなりません。しかも厳しくなるばかりの経営環境のもと、賢く診療所を運営する知恵を持つ必要があります。

より一人でも多くの参加者を得るため、演題の内容にも悩みます。

1題目は、リハビリテーションについてでした。理学療法士をおいて施設基準を維持すれば収益が上がることはわかっているのですが、通院期限があります。加齢による衰えに終わりはないから、これは困る。やはり私は、赤字でも今の当院のやり方をせざるを得ないなぁと嘆息したのでした。

2題目、骨粗鬆症の治療薬について。内服から注射薬からいろんな薬剤がどんどん開発されてきているのですが、使用期限のある薬剤も多く、年齢や、骨の状態で使い分ける必要があります。理路整然とした講演で頭の整理ができました。

3題目は、医療機関取り締まりの元締め、厚労省厚生局の医療監督官の講演でした。私たちは好き勝手な医療ができません。医学的に正しくても、国が認めなければそれは不正請求になります。そのはざまで皆苦しんでいるのです。

医療制度は改定のたびに付則や細かい規定が増え続け、今回の改定で診療報酬の説明書が電話帳くらいの厚みになりました。10年前の倍の厚みです!

それでも、ここで間違えれば、不正請求として報酬の返還請求があったり、保年医資格停止などの処分を受けることになります。

皆さんも医療機関を受診したら、いろんな加算が羅列されていることに気づくでしょう。当院では、患者さんの理解が得られないと考えて、あえて加算請求は行っていませんが。

いろんな分野の講演を用意したおかげで、110名を超す参加者を得ました。会長冥利に尽きます。

会の後は、演者先生と有志で会食。ここにこそ講演会の神髄があります。旧知の間柄のごとく親しさを増し、公では言えないような情報を交換する。悩みと本音をぶつけ合う。食事もお酒も進んだことはもちろんです。

会長職も5年目に突入し、飽きられないうちにそろそろ交代を模索するこの頃です。