大坂なおみ選手が全豪オープンで優勝を飾った。昨年の全米を制した時よりも、日本での祝福ムードが大きいように感じるのは、私だけだろうか。おそらく彼女の極めて日本的なメンタリティが広く知れてきたせいではないかと思う。報道では「シャイ」「謙虚」も言葉が躍る。シャイと謙虚は違うで。謙虚で芯が強いのが「大和なでしこ」なんである。以前妹家族が米国ケンタッキーに駐在したとき、離日前に「どう米国人と付き合えばいい?」と訊かれた。「謙虚で誠実な日本人そのままでいいよ」と答えた。フランスでもそうだったけど、世界中どこの人も「誠実で謙虚な人が好きなんである」。特にアメリカ人は「正直」であることを好む。ここのところが欧州人と少し異なる。どうも日本人は「世界では自己主張の強い人が好まれる」と考えている節があるが、それはちがう。自分の正当性を言い募るばかりの人に、皆辟易しているのである。自己主張が強いのと、芯が強いのは大きく異なる。大坂選手の人間性を感じさせる謙虚なしぐさ振る舞いが、世界中の人を虜にしているのだと思う。