先月末で、デイサービス施設であるシナプスを閉鎖した。経営が苦しいからではない。もともと赤字の施設である。2年前にいきなり報酬を2割減らされて以来、黒字など夢になった。それでも続けていたのは、あまりにいい加減なデイサービスが多くて義憤に駆られたからである。医師としての意地だ。水準を保とうとすれば、固定経費が高くなる。またデイサービスは定員制なので、病気などで休まれるとどうしようもない。職員数は減らせない。利用者さんの笑顔だけが、エネルギーだった。それがなぜ閉鎖か。働き手が確保できないのである。大きな組織なら内部移動も可能だろうが、それもできない。年末年始にかけて退職者がでた。同時に家庭の事情で退職するものが重なったのである。急遽求人募集をしたが、皆さんご存知のように、今は超売り手市場である。しかも介護業界はブラックと誰もが知っている。うちは違うと言っても信じてもらえない。安倍内閣がこのときばかりは恨んだよ。そして新しく入職した人が2週間もたないのである。日本人は変わったのかもしれない。僕たちがおかしいいのか。万策尽き果て、閉鎖を決めたのが26日の未明だった。怒涛のような月末を過ごし、今も残務整理を日常診療の合間に行っている。こんな時に限って、昼間の会議が多いのである。週末もなく働いているので、早く心穏やかに過ごせる時間を作りたいものである。ただ気力は非常に充実している。