忙しすぎて、今年は読書が進みません。でも疲れた時には活字が欲しくなる。本屋をのぞいて、これが平積みされてると、やっぱり買ってしまいます。本年18冊目、黒川博行著 破門 角川文庫ご存知「疫病神」シリーズ第6弾です。イケイケやくざの桑原と、あかんたれ軟弱人二宮の物語である。この小説の特徴は、心情描写がまったく記述さないことである。会話とディテールのみで進行します。第6弾ともなると、キャラクターがギンギンに立ってきます。自分がその場にいるような高揚感が得られます。今回は、桑原が大けがしたり、最後はくたびれもうけで終わらずに銭儲けできたりと、いつもと趣が異なります。最後も「えっ?」と小さく驚いたり。「疫病神」シリーズのよいところは、社会の裏を知ることができることです。(たぶんほんまなんでしょう)。そういう意味で、読んで損はありません。産廃がからんでいる「森友問題」は、だからマスコミの突っ込みが甘いのだと思います。記者も命は惜しいからね。安倍さんの問題にすれば安全ですから。たぶんあれに深く首突っ込んだら、死人が出るのだと思う。極左も絡んでいるみたいだし。ともあれこのシリーズ大阪臭ぷんぷんですし。馳星周みたいに横浜が舞台だと、なんか違うでしょ?映画にもなり、先日はCSでドラマの再放送もしてました。やくざの話なのに、なぜか読後感がいいのです。晴れて直木賞も受賞した氏の、今後の活躍を期待しましょう。次作はもう単行本で並んでいます。図書館でと言わず、買ってください。出版文化を守りましょう。