昨日は阪神淡路大震災から20年となつ日でした。
もう20年たったのですね。そんな気がしません。
考えれば、長女は妻のお腹の中でした。
大きな長く揺れる地震だったので、すぐNHKをつけましたが、震度速報の中で、なぜか神戸だけに震度表示がないのを不思議に思っていました。
それどころではなかったということですね。
まだ全容がわからないままでしたので、とりあえず勤務先の病院へ行きました。
貝塚の病院でしたが、高速道路も鉄道もすべて止まっていましたので、出勤できた医師は数人でした。
患者さんの無事を確認し、TVの情報で神戸がとんでもないことになっていると知り、医師たちで勝手に救急医療の用意をし、いつでもかけつけることができるよう準備しました。
有志の看護婦さんも現れます。彼女たちの真剣で緊迫した表情がとても美しかった。
しかし、僕たちの行動は意味がなくなります。国立病院でしたので勝手はできず、上のほうから「待て」の指令がでて3日。この時ばかりは本気で退職しようかと思いました。
大震災以後、私は役人を信じません。
ようやく出動命令がでたと思ったら、最初の注意が「被災者の前で笑顔を見せるな。」馬鹿丸出しでしょ?
いかに医療現場が、医療をしらない素人に牛耳られているかの見本ですね。あの地震でも病院の事務当直は起きてこなかったそうです。
その後D-MATなどもでき、災害時の即応体制は整いつつあります。しかし、日本の行政のまずしさ。金をかけません。無駄なくしようとする。
近い将来東南海地震が私たちを襲うわけですが、助かると思わないこと。運のいい人は安かるという程度です。
自分の身は自分で守りましょう。震災後1週間は誰の援助も得られないと考えておいてください。
水は一人14ℓ、火を加えなくてよい食品を1週間分。最低用意しましょう。
私たち開業医は堺の場合、まずは自院で救急診療し、(保険証は不要です)。在庫がなくなれば、医師会にかけつけ、基幹病院の指揮下に入ることになっています。
医師会に入っていない開業医の行動は不明です。
けがの程度により、診療の順番が決まります。トリアージといいます。治療しなければ命を失う人が最優先です。治療しても助かりそうにない人は、治療を受けられません。たいしたけがでなければ後回しです。
少々の外傷は自分で何とかするだけの知識と用意をお願いいたします。救急箱くらいは用意しましょう。
それともうひとつ、大阪ではどこかの国のように無政府状態みたいになるのではないかと、私は考えています。
獣のような輩から身を守る道具を用意すべきでしょう。おっと、これは医者の言うことではなかったですね。
でもそこまで私は考えています。

本年3冊目読了
 山根 一眞著 小惑星探査機「はやぶさ2」の大挑戦 講談社ブルーバックス
 昨年から読んでいましたが、内容が少し難しく、時間がかかりました。
 はやぶさ2プロジェクトに関わる研究者との対談は人間臭くて非常におもしろいです。
 中学生くらいの子供たちからいかがですか。