私は、小学校からの英語教育に反対である。日本語がまだまだ不十分な子供に英語を教えて何になるのか?英会話は手段であって学問でない。話すべき内容がない小学生が英語を話して何になるのか?猿真似でしかない。私がフランスで最初にされた質問が「幕府と天皇はなぜ両立するのか」であった。また「日本人は仏教徒なのに、なぜ手を合わせて礼をしないのか」であった。現地でのバドミントン仲間に「武満徹をどう思うか」とも訊かれた。嬉しそうに会話する前に、知識があるのである。スピーチは大事だが、最後に物を言うのは「読解力」だろう。契約書が読めなくては話にならない。これらのことをますます強く思ったのは、先日「くるぶし」を知らない親に出会ったのである。子供ならいざ知らず、小学校高学年の親である。私たちは、「中学校2年生にわかる説明をせよ」と教育される。「踝」を「このでこぼこ」というのか?もしかしたら足首てわからんかったりして。「仰向け」がわからない中学生にはもう慣れた。腹も立たん。でも。「すね・脛」とか「のどぼとけ」とか死語なんでしょうね。「眉間」「こめかみ」「うなじ」なんかも通じないだろう。普段おこなっているフェイスブックにこれをあげたらけっこう反響だった。けっこう医者仲間はうんざりしているようでした。普通の日本語で話したい。「上向けにベッドに寝てください」なんて舌噛んで死んでしまいたいくらいだ。どうりで麻生さんの発言がすぐ炎上するはずである。読書量が圧倒的に少なくて、語彙にも乏しく、比喩表現もわからず、酒饅頭の皮より薄くしか物事を見られない人間が跋扈している。