医療現場にいますと、日本国が崩壊しつつあることを実感します。

人手不足は医療介護業界で以前から甚だしく、当院が土日休診に踏み切らざるを得なかったことはご存じでしょう。そりゃそうです。医療介護は公定価格だから、物価上昇に合わせて報酬を引き上げない限り、給与を払えません。20年前より診療報酬は下がっているのですから、賃上げ競争に負ける業界はつぶれる以外ありません。

物品も不足しています。抗生物質や、去痰剤などの冬の季節商品が品薄になったのは記憶に新しいところ。調剤薬局も購入実績のない初物の薬剤は、卸会社が売りません。卸も品がないのです。実績重視になるのはしかたないでしょう。

ところがここにきて、今まで購入していた薬剤も購入が困難になってきました。当院では、消毒薬や、麻酔薬が手に入りにくくなってきました。消毒も麻酔もせず傷口を縫合する時代が来るのでしょうか。野戦病院のようです。南海トラフなど来た日には、医療が受けられず多くの方が犬死にするでしょう。

整形外科は、コルセットやギプスなどいろいろな資材を診療に使いますが、ことごとく品薄です。

薬剤も物品も不足するにはいろんな理由があるのですが、まず中国から品物が届かない、薬剤の原料の多くは輸入に頼っているので、仕入れ価格の高騰で、今の安い薬価では製薬会社が製造するだけ損するので製造を止めてします。原料自体の製造中止もあるようです。

医療は国体維持のための基本だと思いますが、財務省の異常な医療費抑制政策と、これまた財務省の無策で日本経済が停滞したことが、日本を危機に陥れていると思います。

財務省のせいで、国民の命は危険にさらされています。