昨日は堺整形外科開業医会の新年講演会でした。
自慢になりますが、私たちは医師会の中でも一番活気に富んだ集団です。
「病診連携」という言葉を聞いたことがありますか?これは病院と診療所はお互いの役割をしっかりと果たし、足りないところを密に連絡しながら地域医療に貢献しましょう、ということです。
要は、高度な検査や、手術は病院が、普段の診療検査投薬は診療所が行いましょう、ということです。言うは簡単ですが、行うは難しです。
病院紹介すべき患者さんを誰に紹介するか?けっこう難しい問題です。患者さんはすぐ「労災病院」を希望するけれど、その方にふさわしいとは限りません。
すると各病院の先生方とお会いし、話をして、専門性からお人柄も理解し、逆に病院の先生方にも私たちの顔と人となりを知っておいていただく必要があるのです。
これに取り組み始めて20年近くになります。
なんとなく沈滞していた本会に疑問と不満をもつ4人が、当時の会長に意見を具申し、一気に会長の年齢が20年くらい若返ったのです。40歳代の部会長は医師会でも画期的でした。4人組のトップを切った中百舌鳥の荒巻先生は相当医師会で苦労されたようです。その次を私が担いました。研究会の改革、公務の平等な割り当て、過渡期にあった学校検診の変革など、毎週のように医師会で会議がありました。次に津久野の田村先生は持ち前の明るさで他科の先生を巻き込んで、整形外科医会に力を与えました。そして4人目が大浜の熊野先生。このままでは先細りすると、高石市や和泉市の整形外科医とともに行動することになりました。医師会は内向きですので、画期的なことなんです。今でも他市の医師が参加する講演会は堺市医師会の会議室を使えません。
他科から冷ややかな目で見られた当会でしたが、ほかの会にない勢いを見れば誰が正しかったか明らかでしょう。
新年講演会も開業医だけでやってた新年会を、日ごろ世話になっている基幹病院の先生たちにも参加してもらえばより楽しいし有意義だということで、コロナ前からお呼びするようにしました。当然酒も入りますので、安くない会費なのですが、皆さん気持ちよく参加してくださいます。
今年は、昨年着任された近畿大学の後藤教授をはじめ、労災病院、堺市民病院、清恵会病院、ベルランド病院、馬場記念病院、阪堺病院から部長先生はじめ、開業医より多い勤務医の参加者を得ました。これも広い人脈を持つ現会長の浜寺の和田先生に負うところが大きい。
会後皆で記念撮影しましたが、あんな笑顔あふれる集合写真はなかなかないものでしょう。
こうした活動の成果は、病院の先生が主催する勉強会(普通あり得ません)、症例検討会の発足につながっています。
私たちは、患者さんを病院に紹介するのではありません。〇〇病院の△△先生を指名して紹介できるよう毎日お互いに努力を重ねていることを知っていただきたいと思います。
出身大学など関係ない、心から信頼できる仲間を得たことを私は誇りに思っています。