整形外科の診療分野に「スポーツ障害」があります。スポーツしている最中の「ケガ」ではなくて、同じ動作を繰り返すことの多いスポーツで、いわゆる使い過ぎからくる、痛みや外傷です。野球ならバットの振り過ぎに起因するという「腰椎分離症」や投げ過ぎによる「野球肘(離断性骨軟骨炎)」が代表的ですね。いろいろな競技で特徴的なものがいろいろあります。我が家からも典型的なスポーツ障害患者が出たので報告します。(笑)7月のある日、盛岡にいる次女から、LINEで「左足の甲の前の方が痛い」と伝えてきました。ちなみに彼女は大学に入って剣道を始めました。週3回程度練習の、医学部では普通くらいの練習量です。剣道といえば踏み込む足の右足が痛くなるんとちゃうの?と私は思ったんですが、この辺?とマジックで丸印をつけた我が足の写真で送りました。どうも中指に続く足の甲の骨の辺りの痛みらしい。「行軍骨折」と考えました。昔軍隊で行軍していてこの部分の疲労骨折が頻発したのです。「疲労骨折やと思う」「まぁ仕方ないので、痛いけど少し控えめに練習せよ」障害の残るような怪我ならば、断固運動は禁止しますが、そうでないなら痛みや苦痛と競技にかける思いを天秤にかければいいのです。ただ残念なことに、試合の軽重、自身のレベルを的確に判断できない方が増えているようです。特に小中学生では保護者が前のめりになり、かえって子供たちをスポイルしているようです。スポーツ以外にすべきことは多いでしょうに。娘ですか?下の写真の通り、やはり疲労骨折でした。夏休み後の前期試験でクラブは休止ですので、その間に治るでしょう。猛練習しなくても、骨折は起こるのだと少し勉強になりました。