医師に多くの勉強会はつきものですが、一昨日は大阪市大整形外科開業医会の講演会でした。
現在、私が会長です。会長と言っても世話役の棟梁という感じで、しんどいことばかりです。おかげで頭髪の後退は眼を覆うばかりです(あきらめました)。
専門の勉強ばかりでは視野が狭くなるということで、文化講演会として、年1回各分野の研究者などをお呼びします。この人選だけが唯一の楽しみかも。
故勝谷誠彦君とか、バドミントンの小椋久美子さん、空軍大将も呼びました。
今回は火山地震学者の鎌田浩毅先生を招きました。TVでもよく出ておられるのでご存じの方も多いかと思います。
もともと東大地震研究所をはじめとする地震学者を私は信じていませんでした。いかにも地震予知できるように言って、散々巨大な予算を使いながら、東日本大震災の可能性すら言えなかった。たまたま「正義のミカタ」という番組に出演しておられて、「この人は信じられるかも」と感じたのでした。
こうなると私は案外図々しい。先生のメールアドレスを探し出し、直接お願いして快諾を得たのでした。
当日は会員、その家族、情報を聞きつけた外部の医師など、50名を超える参加者で会場が埋まりました。
講演は大学の授業のような形式で行われました。至福の60分。
次回に、著作などを紹介させていただきますが、必ず来る「南海トラフ地震」について簡単に箇条書きします。
・2030年から40年の間に80%の確率で起こる。残りの20%はその前後。即ち必ず起きる。
・地震の大きさはマグニチュード9.1(東日本は9.0)太平洋岸では1000年に一度の地震。
・死者30万人。被災者6000万人。日本の経済損失200兆円。これは東日本大震災の10倍。ちなみに日本の税収は年間75兆円。
・津波は最高37メートル、大阪は5メートル高槻まで津波は届く。
・ライフラインは1週間止まる。何とか日常が戻るのは3か月後。
地震後、誰の助けも借りず、1週間生き残る必要がある。避難所にいても東日本のように食料も、布団も届きません。
果たして、生き残る準備と覚悟はありますか。
会の後、希望者で先生を囲んで会食をしたのですが、鍋を囲みつつ、喧々諤々のどう日本と日本人を救うか議論したのでした。