そういえば今年はあまり小説を読んでいません。大作「幻庵」で少し疲れたのもありますが、今の日本マスコミがあまりにおかしな方向に進んでいるので、まともな人々の意見を渇望しているのでしょう。TVに出てこない人々の著作を自然と読むようになります。地上波のニュースは見なくなりました。うそばっかり!あいた時間、久しぶりに小説を読みました。本年12冊目 江上 剛 著 くろかねの道 PHP社 1800円 です。職歴から経済小説が専門と思い込んでいました氏の、歴史小説です。明治維新後、日本のため、全国に鉄道を敷設することに尽力を尽くした井上勝氏の生涯を表したものです。彼は幕末、伊藤博文や井上馨らと長州藩から英国へ密航します。経済的に困窮しつつも祖国のために勉学に励みます。そして、祖国日本発展の部品として一生を捧げます。ともすれば、自分が得た権力に酔い、己が為すべきことを忘れるのが人間だと思いますが、鉄道網を全国に張り巡らせることが、国のためという信念を持ち続け、ただひたすらに周りとの軋轢を恐れず突き進みます。。ついついこの世に生を受け、自分の使命を忘れそうになる私に、新たに目を覚まさせる書なのでした。年齢は関係ないようですよ。