マスコミの異常さを引き続き考える。
安倍元首相の暗殺事件についての報道がどんどん歪んでいく。
いつの間にか旧統一教会の話題ばかりである。
何よりもまず大切なのは、なぜ安倍さんの暗殺を防げなかったのか?山上某の単独犯なのか組織的関与はないのか?警察の責任はどうなのか?また警察は山上の犯行をどこまで真剣に調べているのか。
これだろう。
官民あげて、がむしゃらに統一教会の問題にすり替えているとしか思えない。たとえ協会に問題があろうと、その恨みを別人に向け、しかも殺人を犯すなど、どう譲っても許されない。これを許すなら、「仇討ち」を認めろ。
TVでは例によって嬉しそうに、統一教会と自民党や維新との関係をたたいているが、岸信介の時代からの密接な関係を解説する報道を観たことがない。
「国際勝共連合」。若い人はしらないかもしれない。統一教会はもともと反共産主義をうたう団体であった(どの程度本気かは不明だが)。
1960年ころの日本は、共産主義者が跋扈し、日本が共産化するのではと真剣に危惧された時代だった。60年安保で、官邸に迫りくる共産主義者のデモ隊に、警察からの退避要請を退け、「官邸で死ねるなら政治家の本懐」と弟の佐藤栄作と岸信介は官邸で酒を酌み交わしたのは有名な話である。
日本の国体を守りたい人々が、反共を掲げる人々と、とりあえず手を携えるのは必然であった。
その歴史的背景を全く無視し、自民党=統一教会の図式を描きたいマスコミの卑しさよ。これもペロシ台湾訪問をことさら小さく扱った、左翼マスコミの本性ではないか。
旧統一教会に問題がないとは全く思わない。問題だらけである。しかし、百花繚乱の訳の分からぬ怪しげな新興宗教だらけの日本では、統一教会だけを叩いても何の問題解決にもならない。
政治と宗教の分離などできるわけがない。
共産主義、社会主義は宗教を認めない。共産党や立憲民主党が無関係なのは当たり前だ。
建前を滔々と述べて、国民を左翼的に導こうとするマスコミに薄汚い意図を感じるのである。
再度いう。憎むべきは山上某とその後ろにいるかもしれぬ組織である。旧統一教会ではない。
そして何よりただの政治家が殺害されたのではなく、世界中から尊敬を集める安倍晋三が殺害されたことが一番の問題なのである。
マスコミの欺瞞に引きずられることがないよう、国民は眼を開くべきである。