ワールドカップラグビー、日本代表の戦いが終わったので、ラグビーを愛すものとして、雑感を記す。
放送するNHKや民放各社は、いかにも日本が勝ち進むかのような放送を事前に垂れ流していたが、ラグビーを知る人たちは、「難しい」と思っていたのではないか。
今大会に対する日本の取り組みが、後手に回ったから。
なんといっても悔しいのが、コロナ自粛の緩和が遅かったことである。先進国でもっともコロナ緩和が遅く、世界から「日本はコロナを世界で一番克服できなかった国」の烙印を押されている。無能としか言いようのない「専門家」と「政治家」のせいである。
そのため日本代表は、テストマッチ(国際試合)が一年近く遅れた。修練の場が少ないだけでなく、レフリーと知り合いにもなれず、試合でいろいろな選手を試す機会も奪われた。コロナのせいで、どの国も2年くらいしかなかったのだから、それが1年になると不利の大きさははかりしれない。
前回日本大会の「準備万端」ぶりにはほど遠かった。
それと、日本ラグビー協会の体たらくである。
先日、サッカー日本代表の国際試合のメンバーが発表されたが、代表26名中22名が外国で活躍する選手だった。Jリーグ発足時、川渕三郎チェアマンが、「20年後すべての代表選手が海外チームで活動するようにしたい」と言っていたのが、ほぼ実現しているのである。
それがどうだ。日本代表に海外チームで戦う選手はいない。前回は日本代表クラスで、南半球のリーグに参加していたのが、リーグからの脱退を余儀なくされ、海外へ雄飛する選手もなく、国内リーグのみになった。
プロ化にも徹することのできず、いまだに「明治だ」「早稲田だ」と言ってるお粗末ぶりである。
世界に目のむけられない、あほの集まりが続く限り、日本ラグビーに明日はない。
別に大学日本一でもないのに、12月の早明戦をNHKが放送する限り、日本ラグビーに栄光の日は来ないのである。
二世議員がはびこる政界と同様、学閥が幅を利かせるラグビー界である限り、4年後の豪州大会、8年後の米国大会の光は見えない。
国民も、たまたまの暇つぶしに興じるのをやめたらどうか。
選手は持てる物以上のものを出し切ったと思う。彼らへの賛辞は惜しまない。