昨日は、我が市大医学部バドミントン部の新入生歓迎会だった。私のOBのはしくれとして参加した。この年になると、後輩たちに稼いだ金をばらまくのも義務の一つと考えている。一生懸命働いて、いろんなところに寄付して。60歳を前にして、20歳前後の人達と話せる機会などそうあるまい。その場であるOBの講話があった。「人生教養が大事であり、その教養とは読書である」何をいまさら(失礼)、私が以前から職員にも口を酸っぱく言っていることである。畢竟、教養とは古典(消えることなく生き残るスタンダード)を読み肌で感じることだと私は考えている。いつも言うように、私は本を読まない人間を信用しない。驚いたのは、「吾輩は猫である」を読んだことのある人間が50人からいる中で、1割にも満たないことだった。たぶん世代の中の最高峰の偏差値エリートの集団である。それでこれか。心底がっくりした。「坊ちゃん」しかり。医師は天皇陛下から、生業を持たないホームレスのような人まで接する職業である。医学的知識が豊かであればそれでよいとも言えないだろう。益々カリキュラムを厳しくする医学部教育、大丈夫か?アメリカの真似をして、かの国の医師は燃え尽きる割合が異常に高いぞ。それに彼らは競争の先には、とんでもない高額報酬が約束される。ブラックさながらの職場環境、給与でここまで追い込んでは、使命感よりわが身第一に走らせないか?非常に危惧する。「スマホ離したら?」の私の問いに「タブレットで、ネイチャー(この雑誌にに論文を一本載せるだけ教授確実)原文(英語)で読んでるので」絶句である。後輩たちは、とんでもなく優秀で、意識も高い。教育のシステムが問題であると痛感した次第である。