昨日今日と大学入試共通テストが行われている。

私は大学共通一次試験の一期生である。これがセンター入試、今の共通テストと名前と仕組みを変えて行われている。

共通一次試験は大学入試を大変革するものであったが、同時に一期校、二期校をなくすという失敗を許さない制度にするものであった。

今みたいに選択受験はなく、全員英数国に加え、社会二科目理科二科目が必須であったと思う。その後各大学が二次試験を実施した。

訳の分からん制度だからそれなりに準備はした。

教科書の範囲から逸脱しないということだったので、私は教科書が分厚く興味の持てない日本史世界史を捨て、地理と政経を選択(好きだった)、理科も生物と化学を選択(物理が苦手でからきしだった)。

「精力善用自他共栄」を校是とするわが校だから、多くのものも倫社と政経を選択してたように思う。

それに伴って二次試験は記述重視と言われていて、細かい〇×式と白い解答用紙に目いっぱい回答する二通りの勉強が必要になった。

私は飽きっぽくて、一つの問題集を何度も使うことができなかったので、日曜日は模擬試験を受けまくった。これなら朝から晩まで集中して問題を解くことになるでしょ。家にいてもだらけるから。

高3の時は30回以上受けた。貧しい家なのに、こういうことには寛容であった。秋以降は毎回同じ服、同じ昼食(母のサンドイッチと温かい紅茶)。当然本番も二次試験も同様。

本番は、マークシートのマークの形状が異なって面食らったが、塗りやすいように先を少し丸くした鉛筆で事なきを得た。

数学は満点だった。もっとも学校では何分でできたかが話題になった。国語は苦手な古文が有名な落語のネタが題材だったので、本文を読まなくても全部解けた。地理は好きこそものの上手なれで、たぶん全国最高得点。

思いのほか高得点だったので、浪人いやさに大阪市大を受験した。今となっては勇気をもって大阪大学を受けてもよかったのではと思っているが。とにかく浪人するのがいやだった。

自慢話みたいで恐縮なのだが、すべて事実である。

最後に告白すると、私はこの入試制度改革がなければ医者になれたかどうか。というのもそれまでの医学部入試では物理と化学が必須。社会は世界史または日本史受験が求められていたのである。

今では、物理必須なんて医学部はない。それどころか、生物を選択せず入学した医学生は留年しやすいとすら言われている。

医学になんで物理が必要?と感じていた私は正しかったのではないかと考えている。