白鵬が優勝した。39回目だそうである。場所中には通算勝ち星歴代1位を更新した。今朝の朝刊も彼を礼賛する記事ばかりである。ちょっと待て。ほんま、この国のマスコミは大丈夫か?大政翼賛会かのごとくである。実際白鵬は強い。隙もない。うちの息子もファンである。子供は強いものが好きなのだ。しかし私は思う。記録には残るが、いい記憶は残せない横綱だと。お相撲さんはきれいでないといけない。立ち姿はもちろん、仕切り、四股、塩まきすべてにおいて。いわんや取り口も。白鵬はどうか。はっきり言って、所作が美しくない。力強さだけである。時間いっぱいになると、塩をまく動作まで、「俺は気合が入っているぜ」と漲らせている。下である。立ち合いの手つきもあくまで自分のペースだ。日によってタイミングが変わる。そして立ち合い。醜い張り手。もしくは下品なかちあげ。下っ端のすることやろ。親方や、周囲は教えてやらんのか。そして立ち合いの変化。ほぼ全取り組みで変化している。勝ち名乗りを受ける時もはしたない。懸賞金をありがたがるようなしぐさはやめろよ。日馬富士はもっとひどいと言っておく。いちいち無意味に塩を太腿に盛るな。取り組みのあと、土俵際は塩だらけだ。イノシシのような気合の入れ方も下品だ。何も、彼らがモンゴル人だからと言っているのではない。稀勢の里も、まだ美しくない。相撲はスポーツではないのである。日本の文化だ。それを理解させろと言っているのである。前にも書いたが、相撲に真剣勝負を要求するのは下衆である。相撲は様式美を観るもの。よくできた八百長は、醜い真剣勝負より尊いのである。強ければいいという、非日本人的な文化が浸透しないことを願う。白鵬は双葉山を尊敬していると聞く。なら、彼が安芸の海に敗れた一番のあと、安岡正篤に送った電報をここに記す。 「我いまだ、木鶏たりえず」ほど遠いな。ついでに最後っ屁を、「相撲ブーム」だと?景気が回復しただけだよ!サンキュー。ケッ。