毎週のようにある我々医師の勉強会ですが、先週は少し風変わりな会でした。

「伸緑医歯会」

私が薫陶を受けた学習塾の出身者のうち医師と歯科医師が集まる研究会です。参加者の専門も学年もバラバラです。

私は中学受験に落ちて、「伸学社」という塾に入りました。世間的には「入江塾」として名が通っています。

そこで文字通り1年365日鍛えられました。年中無休、最終電車まで残ってもかまわない。中には塾に寝泊まりする者も。

そこでは、勉強よりも、人間としてどうあるべきかが常に問われました。塾の3年間が今の私のすべてを作りました。

目標に向かって、全身全霊努力することを求められました。生活を律することが第一に問われました。長期休暇の時には兵庫県の柏原まで合宿に行きました。日常との違いに、合宿場を脱走したものも数知れず。

もちろんそこでの日々を「黒歴史」として封印する人もいます。

塾卒業生で医師・歯科医師は判明分で170名いるのだそうです。その中で「今の自分は入江伸先生のおかげ」と思う者が集ったのです。

医師の仕事はつらいことばかりですが、塾での毎日を思えば「屁でもない」ことでした。つらいなんて感じたことはありません。

「学力三分人間七分」

入江先生の仰っていたことでした。

これは実感します。あまたいる塾生の中で、志望校に合格するのは「いい奴」が多かった。自分勝手な考えのものはことごとく失敗した。

写真は同級生の「大阪公立大学医学部教授の三木幸雄君と土浦協同病院院長の広岡一信君」高校も同じなのでかれこれ50年以上の付き合いになります。集まった先輩後輩たちと学習し、将来の日本の医療を憂え、そして会食では昔話にも花が咲く。

至福の時間でした。

大学入試もだいたい結果が出そろいました。

息子の話を聞くと、やはり生活を律しきれなかった友人の結果は芳しくありません。

予備校の寮住まいだった息子は、休日も同じく毎朝7時から朝食をとり、クラスの誰よりも早く予備校に到着し、毎日同じ材料で昼食のサンドイッチを作っていたそうです。一見どうでもいいことをやり遂げる。意外と難しいことですよね。これが心を鍛えることにつながるのかもしれません。

入試は単なる学力テストではありません。