週末を奈良県宇陀市で過ごした。高校の同級生の高見省次君が今年の4月に市長となり、その選挙応援をした有志で彼を激励し、ついでにゴルフを楽しもうという企画である。宇陀市というとピンと来ないかもしれないけれど、12年前に3市1村が合併して誕生した。室生寺をはじめとする寺社仏閣があり、自然も豊かでハイカーや登山客が訪れる。人口は3万6千人ほどなんだそうだ。地方の例にもれず、人口の減少に伴う経済的停滞に悩んでいる。堺からは1時間ほどで行ける。「美榛苑」という公の保養所に集合。私は午後に研究会の座長を仰せつかっていたので、午後7時前に到着。急いで宿の温泉に浸かる。ぬめっとした柔らかい温泉だ。予定より15分ほど遅れて、高見君が到着。総勢9名で宴会が始まった。山中にも関わらず、ありきたりの会席料理で皆少し残念。宇陀牛というのがあるそうで、それを食べたかったな。冬なら、猪や鹿といったジビエ料理が堪能できそうだ。今の時代、グルメとインスタ映えがないと人は来ないでしょう。宴席の後は、部屋に全員集まってわいわいしゃべる。狭い部屋でおっさん9人。でも気分はクラブの合宿である。高校時代のエピソードから市政の問題まで。出てくる意見が皆すごい。4人いる東大法学部卒はさすがだと感じた。高見君もそのひとり。もう一人は世界的企業の社長である。金を払ってでも聞きたい話が満載であった。タクシーが10時以降は来てくれない!(これだけであかんやん)とのことで、後ろ髪惹かれる思いで高見君は帰っていった。翌日は、ふるさと納税の返礼品として利用できる宇陀カントリーでゴルフコンペ。幸い雨にも遭わず、和気あいあいとゴルフを楽しんだ。賞品はこれまた宇陀の名産品の数々。豊かな歴史と文化を発信する能力が大事だと感じた。聞けば、住民は何かを変えたいと願っているそうである。でもリスクはとりたくない。それで旧態依然としたボス支配が続くのだ。旧弊と戦う高見君の前途は厳しそうであるが、僕たちは全力で支援していく事を誓って帰路に就いた。変わりたがらないこと、それが日本人の最大の欠点である。世界を破壊しかねない西に位置する狂国に囲まれて、亡国の危機に瀕している日本を、このままでいいという神経がわからない。ひとりひとりが声を上げて、私利を追わず行動することこそが子孫のためによい日本を作り上げていくと考えるのだ。