今日は大人としての常識について述べたい。
医療関係者は皆、来院される患者さんに少しでもよくなってもらいたくて、一生懸命尽くしている。1円の利益もうまない体操やマシン運動など、私自身「ここまでする意味は?」と自問することも少なくない。
2時間近く滞在されて、110円!一人単価の安い整形外科は悲哀を感じている。
尊敬しろとは言わない。せめて懸命に働く職員には敬意をもって接してほしい。診療報酬が上がらないので、昇給もできない中、心を尽くしているのである。
だから私はまず職員を守らねばと常々考えている。患者さんの心無い行いや言動で、退職されては堪らない。職員こそ私の宝である。
でも時には、悲しい気持ちになる患者さんもいる。
昨日も110円の支払いをすべて5円玉で支払った方がいた。
金であることに違いない。厳密には補助貨幣だから22枚の硬貨の受け取りは拒否できる。
ただ問いたい。「貴方にとり医療ってそんなもんですか」
結婚式のご祝儀に、しわくちゃの札を入れる人はいないでしょう。それと同じである。
全ての職員は、「患者さんの命を預かっている」と感じて働いている。そのストレスはたぶん理解されないだろうけど。診療後の疲労は大変なものである。
小売店で物を買うのと、健康を維持するのに使う金と値打ちは同じですか。私たちの行いは財布にたまった5円玉を処理する程度の値打ちですか。
診療後、5円玉が20枚以上入った集金袋を手渡す、職員のこわばった表情は私の心を重くする。職員にも人としてのプライドがあります。
別にいいのです。貴方にとって当院での治療はその程度のもの。そう理解します。
明日からの対応が変わることは一切ありません。
ただ覚えておきましょう。「そんな人や」と思われていることを。
人間、何事にも細心の注意を払わないと、思わぬところで軽んじられるかもしれませんね。
私自身、同様のことをやらかしているかもしれません。いつか自身に跳ね返ると肝に銘じて生きています。
異常にたまり続ける硬貨は、毎日のように妻が銀行へ預け入れしてます。これもけっこう大変。