今年は本を読めてません。常に何かに追われている感じで(実際すべき用事が山積してます)、寝床にはいればすぐ爆睡です。頭の回転も落ちてきましたから、以前なら複数の本を並行して読めていたものが、今では一冊を読むにしても、それまでの内容があやふやになったりします。しっかりとした時間を確保せねばなりません。軽い文庫本は読みましたが、紹介するほどの事もないので。でやっと心が熱くなる本に出合えました。「敗れても敗れても -東大野球部百年の奮戦-」 門田隆将著 中央公論新社表題通り、東京大学野球部の歴史ノンフィクションです。連敗記録がニュースになり、最下位を脱すれば報道の対象になる、東大野球部。皆さん、彼らが青白い青年で楽しく野球をやってると思っていませんか?彼らは非常に真剣なんです。他校がスポーツ推薦などで、強豪校から選手を集めてくるのに対して、彼らは超難関の学力試験を突破してくるんです。東大野球部で野球をするために東大を受験するんです。日夜必死の思いで野球に取り組んでいます。そして大東亜戦争以前から、浪人してでも東大野球部を目指す人たちがいたということに私は驚嘆しました。また戦争末期に沖縄戦が迫っていて、生きて帰れないことをわかっていて、沖縄県知事となった野球部OBの話など、東大野球部を巣立った漢の群像を熱くかつ怜悧な筆致で読ませます。いわゆる進学校で野球をしている諸君。ぜひ本書を読んでください。何がなんでも、東大野球部に進みたいと思うはず。そういう東大への進学もありなんではないでしょうか。