午前の診療後、大急ぎで障害者自立支援法に基づく、障害区分認定審査会に市役所まで行ってきました。
この区分認定、介護保険の障害者版というのが、一番わかりやすいかもです。
私自身は「障害者自立支援法」はただでさえ障害のために収入が低くなりがちで、家族の負担も大きな障害者の方に対し、サービスに対する負担を求める、天下の悪法と考えています。
これに弱者の味方を辞任する某政党が賛成したことは、私が金輪際彼らに一票を投じないと心に決めた理由のひとつであります。
さはさりながら、誰かがその障害者のその障害の程度を審査しなければなりません。
毎回、医師は私一人ですが福祉関係の専門家を交えて4人で合議します。
数日前には、各回15名を対象としますので、A3用紙にびっしりと100枚近い資料が送られてきます。これを読み込んで会議に臨むのです。
もちろん個人が特定されないようになっています。それでもすべての人々の家庭や生活背景、人柄などがリアルに迫ってきます。
事務方に役所の担当者も同席しますが、みな思いは同じ。できるだけ、心穏やかな毎日を送れるようになってほしいということ。愛情あふれる、暖かな時間があります。
でも時には、対象者の未来を案じ、陰鬱とした空気になることもあります。
ただ行政ですべての障害者を守れるわけではありません。
明らかに障害があるのだけれど、その程度が軽いために、援助の網からもれてしまい、ハンディを負ったまま、一般社会に放り出されて苦しんでいる人もいるのです。
そういう方が、患者さんとしてお見えになられたとき、憤りともあきらめともつかない、また罪悪感のようなすごく複雑な気落ちになります。
開業医をやめたら、障害者のボランティアをしたいと考えているのも、そういう部分を見るからかもしれません。
といって、私が障害者の何を知っていると言われれば、そのとおりなのです。
少しでも彼らと並走できるようになればと思います。